三原の酒は万葉集に「吉備の酒」として詠まれたことを始め、その後の文献でも度々記録に登場していることから、古くから三原が酒の銘醸地だったことが伺えます。第二次世界大戦後には、市内に10軒余の蔵元がありました。
三原で酒造りが発展した理由に、酒造りの材料である米と水に恵まれていたことに加えて、海上交通の要衝で合った土地柄より造った酒を各地に運ぶことが容易で、販路拡大がしやすかったことも理由であると言われています。交通の要衝であるという地の利が、酒造りに影響を与えたというのは、三原ならではのストーリー。そして現在でも営業を続けているのが、株式会社醉心山根本店です。
醉心の創業は万延元年、明治時代から数々の賞を受賞しましたが、大将時代に全国酒類品評会で3回連続優等賞を受賞したことにより、名誉賞受賞の栄誉に輝きました。これが「名誉醉心」として国内外で知られるようになった所以です。伝え聞くところによると、純米吟醸酒を初めて商品化した蔵元なのだそうです。水や米にこだわった超軟水仕込の酒造りにより「辛口にして甘露」な醉心は多くのファンを魅了し、近年では国際的な品評会でも受賞するなど、日本国内外で注目されています。
純米大吟醸から純米吟醸、純米酒など豊富な種類の醉心。もちろん季節感あふれる季節の醉心も。三原市内では様々なお店で味わうことができます。バーでは、醉心を使ったカクテルもお楽しみください。
そして三原市西野の畑で育てられた麦を醸したビール「虹之麦酒」、佛通寺ブドウとして名を知られるブドウを生産している三原市高坂町のブドウを醸したスパークリング赤ワイン「ACE(No.1)」といった新たなお酒のラインナップが近年加わりました。どちらも軽やかですっきりとした飲み口で、食事と一緒に楽しむことができるお酒です。